このコンテンツは患者様ではなく、鍼灸師の臨床家の先生方及び、鍼灸学生向けです。
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<<戻る 古典鍼医会、定期学術研修会のお知らせ「古典鍼医会」は広島、山口の「脈診流」の鍼灸師の集まりです。
経絡治療で臨床をされている先生方、あるいはこれから臨床をされる先生方、
一緒に切磋琢磨しませんか?
会員 12000円/年
聴講 3000円/回
学生 1000円/回
会場
広島市の光ヶ丘鍼灸院
毎月第四日曜日
連絡先 082-264-6100
プログラム
AM10:00〜12:00 講義、学術発表
PM1:00〜4:30 実技研修
「学習内容例」
古典鍼医会 プログラム
日時:10/22(日曜日)
会場:光ヶ丘鍼灸院(広島県広島市東区光が丘15-10)
連絡先 電話082-264-6100
午前の部 光ヶ丘鍼灸院
10:00 各部報告
10:20 古典講座「難経」 田布施鍼灸院 兼本 哲也先生
11:00
全国夏期研修会報告その2 光ヶ丘鍼灸院 蟹江 康雅先生
11:40 臨床講義「七十五難型」 光ヶ丘鍼灸院 飯田 寿先生
12:00 休憩
午後の部 光ヶ丘鍼灸院
13:00 基本刺針(衛気、営気)、基本取穴、基本脈診(八祖脈)、
漢方腹診、体表観察。
14:00 休憩
14:20 合同例会の予習を兼ねた小里方式による臨床実技研修
(各班に分かれて研修)
16:30 反省会
以下は研修会の模様です。
以下は古木先生が滋賀漢方のやり方をまとめたものです
滋賀漢方正式のものではありませんので、
間違い、クレーム等はご容赦下さい。
漢方鍼臨床における診察・診断から
治療終了に至る一連の流れについて
1 主訴を中心にして望診・聞診・問診をおこなって、
@ 神気の有無を診る。
A 主たる変動経絡はどの経絡か?を診る。
B 寒熱・汗・飲食、二便・疼痛・口渇・月経などから、四大病型のどれに当たるか?を診る。
判定する場合の診方については、
(ァ) 陽実証、陰実証の内、どれに当たるか?
(い) 陽虚証、陰実証の内、どれに当たるか?
(ぅ) 陰虚証、陰実証の内、どれに当たるか?
こういう診方で、四大病型を絞り込んでいく。
2 気・津液・血の有り様を中心にして、腹部において体表観察をおこなう。
@ 気の状態はどうか?右手で皮膚面を軽く撫でて診る。
A 津液の状態はどうか?右手でやや按圧して調べる。
B 血の不足や滞りは無いか?右手の指を深く按圧して調べる。
C 五臓配当部位における、気・津液・血の状態はどうか?
判定する場合の診方については、
(ァ) 肺は専ら気を、
(い) 心は専ら気と血を、
(ぅ) 肝は専ら血を、
(え) 腎は専ら津液を、
(お) 脾は気・津液・血をと、
このような診方で、五臓の病理状態を絞り込んでいく。
C 病理を考えて、これに対応する脉状を推定する。
(あ) 陽実証ならば、肺虚陽実証もしくは脾虚陽実証が考えられ、脉状は明らかに浮脈を呈し、数脈を表す。
(い) 陽虚証ならば、肺虚、脾虚、肝虚、腎虚の各陽虚証が考えられ、虚寒病症を表し、脉状は明らかに沈脈を表す。
(う) 陰虚証ならば、脾虚、肝虚、腎虚の各陰虚証が考えられ、虚熱病症を表し、脉状は浮脈を呈する。
(え) 陰実証ならば、肺虚肝実小、脾虚肝実証が考えられ、熱病症もしくは冷え病症を表し、脉状は浮脈もしくは沈脈を呈する。
D 腹診点方式(ぱたん照合)を応用して、どの証に該当するかを診る。
3 脉状を観察する
@ 総按法で脉状の浮・沈、遅・数を判定する。
A 単按法で各脉位部における脉状を診て、変動する経絡や五臓の以上を診る。
4 以上の診察結果を総合して、「証」を判定する。
また、治療側を判定する。
@ 基本証13証の内、どの証に当たるかを決定する。
A 腹証と脈証が一致する場合は予後がよいが、一致しない場合は、予後が悪い。
B 適応側は通常、男は左側を用い、女は右側あを用いる。しかし、これに合わないものも時に見られるので、この場合は、へその周囲組織の硬さを示指の先で軽くおして調べ、堅く感ずる側を適応側と判定する。
5 判定した「証」が正しいかどうかを確かめ、また、用いる要穴を確定する。
@ 証に対応する経絡を選んで、経に従って軽く軽擦して、脉状の変化、腹部所見の変化、ナソ所見の変化の三点セットで調べる。
例えば、肝虚証であれば、適応側の肝経を、あるいは肝経と腎経のに経を選択し、その流注上の大鐘穴あるいは太鐘穴と太谿穴を中止に経に従って軽く軽擦する。三点セットで、これらの所見の改善度を調べる。
肺虚肝実証であれば、適応側の腎経を選んで、その流注上の太谿穴(原穴)を中心に経に従って軽く軽擦して、三点セットで、その改善度を診る。さらに、適応側の三焦経の陽池穴(原穴)を中心に経に従って軽擦して、三点セットで確かめる。
A センケイが決まったなら、次は、五兪穴を選択して取穴し、三点セットで最も改善される要穴を確定する。
6 本治法をおこなう。
@ 本治法は陰主陽従の原則に従っておこなう。
A 最初の一鍼が最も重要である。本治法は、一鍼一鍼毎に三点セットで確認しながら進める。
B 選経、選穴は、難経六十八難・六十九難・七十五難の治療法則に従っておこなう場合が多い。
7 標治法をおこなう。
@ 後頸部・肩上部・背部・腰部の左右調整として、
(あ) 盛り上がっている側(内実外虚)の兪穴、例えば、腎虚であれば、腎兪穴と肺兪穴に対し、衛気もしくは営気に応ずる補法をおこなう。
(い) 穴に関係なく所見に応じて散鍼方をおこなう。
(う) ローラー鍼を施す。
(え) 圓鍼を用いて気を上から下に向かって流す。
これらの標治法は、腹臥位でおこなわれるが、椎間板ヘルニアなどの腰痛患者に対しては、患側を上に側臥させておこなう。
B 下腿後側部に対し、散鍼方を施す。
C 仰臥位を取らせてナソ治療特に、斜角筋部に対する散鍼方をおこなう。
D ムノ治療特に、胆経上の五枢・維道穴・居穴への散鍼方をおこなう。
最後に、脉状が整い、腹部所見とナソ部の所見も改善されたことを確認して、 治療を終わる。
9 奇経治療・子午治療・刺絡治療の活用。
@ 子午治療や刺絡治療は、救急法として本治法をおこなう前に施される場合が多い。
A 奇経治療は、救急法として用いられる他、補助療法として本治法をおこなった後にもおこなわれる場合も多い。それで、証決定と同時に、奇経診断もおこなっておいてから、本治法に次いで奇経治療をおこなう。
本治法がすぐれている臨床家は、奇経治療を施さないでも充分な治療効果を収めることが出来るという。