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[98] 自律神経失調症と鍼灸について

投稿者名: 飯田 寿
投稿日時: 2004年11月2日 22時08分

友里さん、こんにちは院長の飯田です。

友里さんは現在、どこかの鍼灸院へ通院中なのですね。
友里さんが、本当に自律神経失調症かどうか、
私にはわかりませんので、一般論としてお聞きください。

自律神経失調症は不定愁訴を訴える場合につく病名です。
肩こりなどでも自律神経失調症と診断されることがあります。

> 自律神経失調調症で鍼に通ってお腹、背中、肩、頭、などに鍼をさしこりをとっています。そうやってこりがとれた状態が長く読けば体の調子もよくなってくると言われたのですが、こりをとるだけで自律神経失調症が治るのでしょうか?

自律神経失調症でこりができる場合は、
交感神経の過緊張が原因のときに多くみられます。

自律神経失調症は心と体に大きく密接しています。

針通電(針を刺してそれに電気を流す)のような初歩的な治療法で
こりをとって、自律神経失調症が改善されることは、
元々、自律神経の乱れが少なかったときや、
原因となるストレスが何らかの原因でなくなったときにしばしばあり得ます。

軽い自律神経の乱れならば十分な休養をとったり、うれしいことがあったり、
仕事や家庭の問題が解決したり、整体マッサージやアロマトリートメントなどで
慰安されたくらいでも治ります。

しかしながら友里さんのような状態の人で単純にこりをとっただけで
症状が完治することは考えにくいです。
単純にこりをとるためだけにおなかや頭など、
全身に鍼を刺すことも考えにくいです。

現在お通いの先生がどのような治療をされているのかわかりませんので
一般的な鍼灸の分類を下に示します。

昭和40年代以降に流行した現代学的鍼灸術ならば、効果は薄いですが
自律神経失調症に効かせるために指圧や鍼通電を加えます。

多くの専門学校で取り入れられている中医学をベースにした
鍼灸術ならば、友里さんのような症状は肝鬱気滞やお血症状として、
背中、特に肩甲骨の間からその下にかけての硬いところに分布している
背部兪穴に鍼をしたり、頭頂部の付近の経穴をよく使います。

古典を元にした日本の経絡治療なら手足の経穴に鍼をした後に、
全身に浅い鍼を加えます。

これらを考え合わせてみると、友里さんを治療している先生は、
単純にこりをとっているのではなく、自律神経失調症のために
全身治療をしているのですが、患者さんにわかりやすく説明するため、
便宜上、「こりがとれた状態が長く読けば体の調子もよくなってくる」と
話されたのではないでしょうか。

> 週2日通ってるのですが、行けなくて週1回になったらその日から肩がこりを通り越して痛くなり、気分も無気力になったりしたのですが、定期的に鍼を受けていて急に回数を減らしたりやめたりすると体に悪い影響がでるのでしょうか?

急に回数を減らして悪い影響が出ることはありません。
これは、回数を減らして悪い影響が出たのではなく、
その先生の週二回の治療で、何とか友里さんの体がなんとかバランスを
崩さずに、維持できていたということです。
回数を減らしたために本来の症状が出てきたのでしょう。 


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